こんにちは。
長らく住宅展示場として利用されてきたみなとみらい37街区ですが、ついに開発計画が動き出すようです。
目次
37街区開発計画とは
(画像は鹿島建設のパンフレットから抜粋)
・高さ 150m
・敷地面積 10,100 平方メートル
・延べ床面積 123,000 平方メートル
・主な用途はオフィス、ホテル、店舗
・建築主 合同会社KRF48
・着工予定 2019年10月1日
・完了予定 2023年3月31日
みなとみらい大通りに面したところに高さ150mのオフィス・ホテル・商業の複合施設が建設されます。周囲には横浜美術館、ぴあアリーナMM三菱重工横浜ビルなどがあり、みなとみらいの中心部に位置しています。
商業施設は1階と2階に設けられます。3階にはカンファレンスルームやコワーキングスペースなどオフィスサポートが配置されます。オフィスは4階から18階となります。ホテルは上層部の20階から28階に配置されます。
イメージ図を見るとピアのアリーナに対して歩行者デッキが伸びているように見えます。
こちらの資料はKRF48が横浜市に提出した資料の一部です。ペデストリアンデッキについての記述があり、”将来横浜市が整備予定”と書いてあります。このデッキができると桜木町からデッキ経由でここまで来ることが可能になるでしょう。素晴らしいです。
横浜市の予算資料にペデストリアンデッキの整備が計上されていました。令和3年度横浜市の予算を読むも合わせてご覧ください。
ペデストリアンデッキのイメージ図はこちらになります。
(画像は鹿島建設のパンフレットから抜粋)
桜木町駅から信号待ちをすることなく、ペデストリアンデッキのみで来ることが可能になります。桜木町駅から(仮称)MM37タワーまではそこそこ距離はありますが、ペデストリアンデッキで来られるようになるとかなり快適だと思います。
公開空地も横浜美術館側に広く取ってあっていいですね。
1階部分のエントランスは、みなとみらい大通りといちょう通りの交差点方向に作られるようです。建設中のウェスティンホテルと向かい合う方向になります。
みなとみらい駅からのアプローチだと遠回りになるのですが、横浜美術館側は車寄せになるので、このような配置なのだと思います。
1階の内部にはインナーモールが配置されるようです。この辺は、最近のオフィスビルと同じですね。
用地取得の経緯
ヒューリックがみなとみらい中央地区37街区の土地を三菱重工から取得しました。その土地をケネディクスが作った特定目的会社KRF48に譲渡されていたのですが、そのKRF48にパナホームと鹿島が出資していたことがわかりました。出資比率はパナホーム40%、鹿島30%、ケネディクス30%となっています。
プレスリリースには
”両事業パートナーの参画により、本開発の具体化に向けた協業体制が整った”とあるので、これから計画が作られるのでしょう。
出資者がパナホームと鹿島という点が気になります。
鹿島とパナホームによる開発事業
鹿島は58街区のオフィスビル建設に出資しているため、これで2棟目になります。清水建設は賃貸用にすでに1棟竣工し、もう1棟建設中です。
東京だと客である不動産会社の賃貸ビルが多数あるため、競合となり賃貸ビルの建設がし辛いけど、横浜なら不動産会社の賃貸ビルは少なく建設会社が自社で建ててもあまり競合しないという算段があるのでしょうか?
一方のパナホームですが
IR資料に”国内新設住宅着工の減少を見据えた事業構造の適正化”、”新築請負(低層戸建)偏重から脱却”
とか書いてありますので、その布石なのかもしれません。
この街区の過去のいきさつ
ここには本来は三菱重工横浜ビルと同じビルがもう1本立ってツインタワーを形成するはずでした。しかしそれは実現せず、立つはずだったビルは今、品川駅前に立っています。その後、長いこと住宅展示場という暫定施設のまま放置されていたのですが、数年前に再度ツインタワー計画が持ち上がりました。
高さ165m、地上32階のなかなかの規模のビルになる予定でした。合弁会社の三菱日立パワーシステムズが入居するために建設が予定されたのですが、三菱と日立で仲たがいして頓挫。
そうこうしているうちに三菱重工の業績が悪化、MRJの大幅遅延と客船事業の大失敗の穴埋めのために資産売却を進め、その一環として三菱重工横浜ビルとその隣の土地をヒューリックに売却しました。
その後ヒューリックはケネディクスに転売して現在はケネディクスが開発を進めるようです。
二転三転した開発計画ですが、二転三転したのは三菱重工なのでケネディクスの計画に期待したいところです。
着工は当初2020年とされていたのですが、2019年に前倒しになりました。しかも着工が決定したので一安心です。着工までに間が空いていると、それまでに景気が悪くなったりすると白紙に戻ったりすることがありので、いささか心配でした。
過去には、セガの大規模開発(現在の資生堂、京急本社、鹿島のオフィスビル、本町小学校のすべてを合わせた街区)、CSK本社ビル(現在の神奈川大学みなとみらいキャンパス予定地)、Wホテル(現在のマリーンアンドウォーク)、モリモトのオフィスビル(現在のニトリ・BMW・ポルシェが入っている商業施設)等が発表されては消えていきました。
野村ビルも当初予定は150mのビルだったのですが、計画変更で100m以下になりました。横浜三井ビルも当初より低くなりました。
37街区の現状
交差点の奥に1戸建てが見えますが、ここが住宅展示場です。ここに高さ150mのビルが建ちます。右手の三菱重工ビルと同じ高さのビルができることになります。イメージ図からすると三菱重工ビルよりも幅がありそうですね。その分横浜美術館側には空間を設けるのだと思います。
なかなか油断ならない37街区ですが、建設が着工するまで見守りたいと思います。
2019年5月4日の状況
建築計画のお知らせの看板が立っていました。
名称はやはり仮称のままですね。建築主は合同会社KRF48のままです。高さ150mの計画もそのままのようです。着工は2019年10月1日からです。
こちらは引きで撮った写真です。建築計画は左の看板。右の看板は解体工事のお知らせです。現在この地は住宅展示場として使用されています。展示場として建物を建てている住宅メーカー各社が解体工事計画を出しています。
解体工事は2019年8月10日からのようです。1社だけ6月10日なのですが。ということは8月10日までにはこの住宅展示場は閉鎖されることになるのでしょう。
工期が三年半と長いのがいささか気になりますが、定期的にチェックしていきたいと思います。
2021年3月3日の状況
ついに地上部分の建設が始まりました。
一部だけですが、地上部分の躯体が立ち上がり始めました。
別な角度からの撮影です。こちらから見るとまだ何も見えませんが、クレーンが2基立ち上がっています。
立ち上がっている地上部分です。まだ1部だけですが、地上部分の建設が始まると毎週のように高さが高くなっていきます。これから日に日に姿が変わっていきます。
2021年4月2日の状況
着実に建設が進んでいます。クレーンがたくさん立っています。
2021年4月10日の状況
クレーンが3基経ちました。なんだか建設の速度が上がりそうな予感がします。
20201年4月18日の状況
2021年5月5日の状況
思ったより建設速度は早くないですね。この辺は素人なのでよくわかりませんが。
20201年7月12日の状況

2ヶ月ほど経ちましたが、まだこれくらい?という感じです。規模が大きいからでしょうか?でもクレーンが3基も立っているから早いかと思ったのですが。
隣の三菱重工のビルとの比較です。まだ半分にも届きません。
そういえば、他の建設会社は、建設中にはおもしろオブジェとかが飾ってあったのですが、鹿島建設は見ないですね。この辺は各社のカラーが出るのでしょうか?
2021年10月13日の状況
だいぶ高くなってきました。
横浜美術館側からの撮影です。半分以上はできた感じでしょうか?こうしてみると大きいですね。左は三菱重工ビルですが、横幅はその倍くらいあります。
当初計画では、三菱重工ビルはツインタワーとなる予定でした。そうなれば横浜美術館と合わせてシンメトリーな空間ができてとても美しかったのですが、そうならなかったのは残念です。
しかしこうしてみると三菱重工ビルやその奥に見える横浜銀行のビルは太すぎなくて美しいですね。使う側としてはワンフロアあたりの面積が広い方が使いやすいのでしょうが、都市景観の観点からすれば太いビルよりスマートなビルが多い方がいいです。この写真で見ると三菱重工の方は敷地面積に対して高層棟の割合が低く、みなとみらいの都市開発のコンセプトを十分に理解したデザインであることがわかります。まだ余裕があった時代の建築です。それに対して現在建設中の(仮称)MM37タワーですが、そもそもファンド物件なので利益優先という感じのデザインです。まあ、中心部がいつまでも更地なのよりはだいぶマシですが。
もう少し進まないとわかりませんが、もしかしたら、高層部のホテル部分の建設が始まっているかもしれません。
写真をよく見ると、青いカバーがついている最上部の階高がそれまでと異なっています。隣の三菱重工ビルと比べても、高さの2/3くらいまで建設が進んでいる感じなので、そろそろ地上100m程度に達していると思われます。だとすると、そろそろオフィス部分の建設が終わりホテル部分の建設になると思います。ホテル部分はひと回り床面積が小さいので、ここからひと回り細いまま立ち上がるなら、ホテル部分だとわかります。まあ、上1/3だけ細いとかあんまりデザイン良くないですがね。
こちらはメインエントラストなる方向からの撮影です。なんでこちら側がメインエントランスとなるのかよくわからないのですが、もっとも駅から遠い方向です。作るならランドマーク側か、みなとみらい駅に近い横浜美術館側に作りそうなものですが、建設中のウェスティンホテルの方を向いています。
車の出入り口は大通り側には作らないというルールがあるので、車寄せが横浜美術館側になるのは必然なので、そちらがメインエントランスにならないのは仕方がないでしょう。ならば桜木町駅やクイーン軸の方を向いている南側の方が良さそうですが、三菱重工ビルがあるからでしょうかね?デッキ接続が関係しているのでしょうか?とにかく、一番人の流れとは無縁な方向にエントランスがあるのが気になる限りです。
2022年5月3日の状況
最上階まで達した模様です。
正面から見るとまあまあですが、やはり三菱重工ビルと同じ形状でツインタワーがよかったですね。横から見ると高層階のホテル部分が細くなって見た目にはイマイチですし。やはりファンド主導の開発だと経済性優先のつまらん開発になります。
ピアアリーナMM側から見たデッキの建設予定地です。道路に対して垂直にかかるのでしょうか?ぴあ側から見ると、斜めに繋がるようにも見えなくないです。まあ、これも出来上がればわかることですが。
2023年6月20日の状況
建物自体は竣工しています。本格的なオープンは7月です。
下から見ると、高層部のホテルはあんまり見えません。つまりあまり高くは見えません。
1階のアプローチ部分です。オフィスエントランスは2階にあります。1階部分のテナントはまだどこも入居していません。2階にはローソンが入居していますが、それだけです。果たして7月のグランドオープンの際にテナントが入るのかが心配です。まだ内装工事をしているのは1区画のように見えます。
こちらがみなとみらい大通り川のエントランスです。エスカレーターでオフィス部分のエントランスに行くことができます。
ピアアリーナMMとの接続されている歩道橋から見た写真です。歩道橋の幅は広くて快適です。ここを経由して桜木町駅までデッキで移動できるので、右手に見える三菱重工ビルよりアクセスがいいような気がします。
低層部の商業施設がオープンしたらまた見に行ってみようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。