日産リーフに試乗してみた感想

こんにちは。

先日日産リーフの一泊二日試乗に参加してきました。電気自動車がどんな感じなのか知りたかったのと、日産の独自技術プロパイロットとプロパイロットパーキングが試してみたかったのでその辺を中心にご紹介したいと思います。

日産リーフとは

日産が開発した電気自動車です。日産はハイブリッド車ではなく電気自動車に注力して開発を進めてきました。現在のリーフは2世代目となります。1代目が出たときは、電気自動車はまだ早すぎると思っていましたが、現在は世界的な潮流が電気自動車に傾きつつあるように見えます。

この写真は日産自動車のwebサイトから引用しました。今回はこの写真と同じカラーリングの試乗車を借りてドライブを行いました。

試乗ルートについて

今回の市場では長距離ドライブに出ました。横浜から白川郷を目指します。途中奈良井宿を経由して往復800km程度になります。

街乗りなら問題なさそうなことは予想できます。ストップアンドゴーが多い場面では、電気の方がいいように思います。加速が速いし減速時は回生ブレーキによりエネルギーをある程度回収できるからです。

ですが、我が家で車を使うのは中・長距離のクルーズ目的が多いので、その用途で試してみたかったのです。通常の試乗ではその辺を一回りして終わりなのですが、今回の1泊2日の試乗ならその辺のことも含めて色々見られるのでかなり期待していきました。

最も気になるのは充電と航続距離

電気自動車で最も気になるのが充電回数、充電時間、充電場所と航続距離です。車に必要なエネルギーの調達が最も気になります。この点は信用していないのですが、さてどうなのでしょう。

航続距離について

リーフの航続距離はカタログスペックで400㎞。店の人に聞いても200から300kmは走ると聞いていたので、途中1回くらい充電すればいいかなと思っていました。

しかしこの考えが大甘だったことを後で知ることになります。

充電について

充電場所も重要な情報です。事前にルート沿いの充電スタンドがある場所をチェックしておきます。基本的には高速道路のSAで充電すれば事足りると思っていたのですが、これも甘い考えだということに後で気づかされることになります。

充電スタンドも実施場所によって形態がまちまちです。充電カードで24時間できるところ、カードはいらないけど有人の事務所に行かないと使えないところなど様々。機器も様々。外気温に左右され電池の温度にも左右され、他の人がいると使えないなど様々なリスクが顕在化することになります。

試乗の感想

さて本題の試乗です。高速に乗ろうとしたら事故渋滞で迂回した上に保土ヶ谷バイパスも渋滞でのっけからろくでもない目にあいました。

早々に嫌な予感がしますが、この時点ではとにかく目的地に向かうことだけを考えます。

1回目の充電 厚木PA

さて、1回目の充電を圏央道厚木PAで行いました。バッテリ残量は十分ありましたが、充電の練習もかねて行って見ました。急速充電は30分までできますが、練習なので10分程度で出ました。

中央道でプロパイロット

晴れていて交通量も多くないのでプロパイロットを試しました。これはなかなか素晴らしい。ハンドルは握っていないといけませんが、車間距離の維持と車線の維持は機能します。長距離運転時の負担は大幅に減るでしょう。完全な自動運転でなくてもこれだけ出来ればかなり楽になるのではないかと思います。

2回目の充電 奈良井宿

中山道の宿場町、奈良井宿に来た時に、駐車場にある充電器で充電して宿場街を散策します。ただ、30分で30%くらいしか入りません。充電完了した段階で残容量60%くらいです。

これから高山の宿まで無補給で向かうわけですが少々不安です。ただ、この先の道の駅にも充電器があるのでそこで充電することにします。

道の駅での充電はできず

高山に向かう途中の道の駅で充電する予定だったのですが、充電器は閉められ充電できません。営業時間内のはずなのですが、予定外です。

そして1日目の目的地高山市内に到着

何とか高山市内までたどり着きました。電池残容量が心もとないのですが、高山市内の日産販売店や白川郷にも充電スタンドはあるので、その日は充電せずにホテルに行きます。

2日目 旅の目的地白川郷へ

旅の目的地白川郷へ向かいます。目的地までの距離に対して航続可能距離は30kmくらい余分にあるので大丈夫だろうと思ってそのまま出ました。しかしこの辺から電気自動車の恐怖を味わうことになります。

まず、目的地までの残りの距離の減り方より航続可能距離の減り方の方が速いです。これは恐怖です。

白川郷手前の飛騨河合PAでITサポートに電話をして付近の充電スタンドを探してもらいましたが、やはり白川郷の道の駅が最寄とのことなので、何とか目指すことにしました。ちなみにITサポートというのはボタン1つでサポートセンターにつながって付近の充電スタンドを探したり、ナビの目的地の設定をしてもらえるサービスです。走行中は操作ができないので何気に便利です。

さて、本題に戻すと、ヒヤヒヤしながら白川郷の道の駅に到着。白川郷に行きたいのはやまやまなのですが、電池残量10%前半なので充電します。ここでも充電が面倒。1つには事務所に断りにいかないといけない。30分も充電していられないので、10分程度充電して白川郷に出発。

再び白川郷で充電

白川郷観光のあと、再び白川郷の道の駅で充電。ここでは30分かけて充電。それでも充電率は30%程度しか増えない。連続充電はできないので、そのまま発進。

ちなみに連続充電はしないようにお店の人に言われています。電池が暑くなりすぎて充電しても充電量が増えなかったりするそうです。まあ、実際その症状はすでに出ていて急速充電30分しても30%しか入りません。この段階で残容量が60%くらいでした。

恐怖の山越えと充電の旅

充電に時間がかかりすぎたのと、今後も充電時間がかかる可能性を考慮して、予定を切り上げ帰ることにしました。高山市内の観光が不十分ですが、帰路の充電を考えると時間的に厳しい状態だったのです。この段階で電気自動車はダメと思いました。旅行が充電の影響を受けすぎです。

高山市内を抜け国道158号をひた走り松本を目指します。次の充電スタンドまでの航続可能距離の余裕は十分。目的地までの距離に対して航続可能距離はさらに70km程度の余裕があります。まあ大丈夫だろうと思ったのですが、ここから恐怖と充電だけの旅が始まります。

バッテリーの消費量にびっくり

山道を登っていくのですが、信号もなくノンストップで移動します。電池は走行距離が1km進むごとに航続可能距離が3kmくらいの速さで減っていきます。最初のうちは上りだからと思っていましたが、走行可能距離の余裕が50㎞を切ってから不安が募り始めます。このペースで行ったら届かないのではないか?山の中で付近に充電スタンドがない状態で動けなくなると最悪です。

ガソリン車の場合上り坂だからといってもそこまでひどいことになったことはありません。ましてノンストップで巡航できているのなら平地より少し燃費が落ちる程度で走行できていました。

それがリーフでは高山市内を出て、目的地までの距離の半分もいっていないのに充電率が10%くらいになってしまいました。このままでは戻ることもできなくなるので、事前に調べておいた最も近い充電スタンドへ急遽向かいます。

日産の充電スタンドが最も優秀?

充電スタンドに向かうため、来た道を3kmくらい戻ってほおのき平スキー場に行きました、ここも充電が面倒です。まず離れた場所にある事務所に行って鍵を開けてもらわないといけません。夜中とかだったら完全にアウトですね。そこにあったのが日産のマークが入った充電スタンドでした。

ここでまた30分足止めです。全く無駄時間です。ただ、この旅で唯一充電率が40%増えました。50%ちょっとの充電量になったので松本に向かい出発します。

下りは発電するので電池が増える!

走り始めてしばらくすると下り道になりました。そこからはひたすら下りです。電池は減りません。それどころかわずかながら増えもしました。そして次の充電スタンドがある道の駅風穴の里まではバッテリーはほとんど減らず移動することができました。

結論から言うとほおのき平で充電せずに済んだのですが、結果論です。充電せずに済むとはいえ数パーセントの残量で30kmも移動するのはどう考えても精神的に良くありません。

充電地獄は終わらない

松本から高速に乗って横浜に帰ります。ほおのき平で50%ちょっとの電池残量でした。諏訪湖SAで再充電します。30分のロスです。しかも先客がいたためその待ち時間が10分くらいありました。30分充電した結果充電率は60%超となりました。これで帰れそうに思いました。高速自身も下りが増えますし。

しかしダメです。電池の減りが速いため双葉SAでも充電します。ここでも30分待ち時間が発生します。

それと電池の温度が全然下がりません。店の人には電池温度が上がったときは80kmで走れば温度が下がると言われたのですが、全然下がりません。当時は雨も降っていて80kmで巡航していれば温度が下がるかと思ったのですが、全く下がりません。そのせいなのか充電時間のわりに電池容量は増えませんし、電池の減りもすごく早いです。

その後充電しないで何とか横浜にたどり着きましたが、電池の残量は14%でした。

松本で電池容量が45%程度、急速充電30分を2回行い計60%分電池容量を増やしたのに横浜についた時の残容量が14%です。240km程の走行で 90%の電池容量を使ったことになります。電池容量100%に換算すると266km走れることになり、まあまあな気がしますが、実際出先でフル充電なんかできないので、この松本からの移動のように2回の充電で60分の充電時間とその前後のオーバーヘッドで10分×2回=20分。さらに先客がいたらその待ち時間が発生するので、走っているのか充電しているのかわからないことになると思います。

プロパイロットの限界

プロパイロットの限界についても書いておきます。雨の日とかは使えなくなることがあります。その程度はいいのですが、トンネルとかで少々危険なことがありました。

高速道路においてはトンネルの路肩は地上部分より狭いので何かあったときの余裕が少ないです。そんなトンネルで少しずつステアリングを左側に切っていって白線に近づいて嫌な感じがしていたところで、”ギブアップ!”と言わんばかりにプロパイロットがオフになりました。あれには突っ込みを入れたくなりました。車線から外れるように動いて言った挙句に操舵できませんは無いだろうと。特段視界が悪い感じではありませんでしたし。トンネルでは何回かあったので、トンネルは苦手なのかもしれません。

プロパイロットパーキングはあるといい

周りの駐車スペースが車でいっぱいになっているところでの注射は気を使います。十分に広ければいいのですが、そうでない場合はプロパイロットパーキングの出番です。

実際に使うと見ごとに停めてくれました、ぶつかった場合は自己責任なのでやはりハラハラします。運転席から見ていると、大丈夫か!というくらいに近づくので何度かブレーキ踏みました。信頼関係がないとできないのかもしれませんが、あると便利なのは間違いないです。

まとめ

リーフが悪いわけではありませんが、電気自動車はダメですね。少なくとも今のところは。充電に時間がかかりすぎるのと、航続可能距離が短い。あと温度も気にしないといけない。温度については乗ってはじめてわかりました。こんなに気を使わないといけない車はいらないです。今回は夏でしたが、冬もきっと制約があると思います。温度が低すぎると電池が反応しないからです。電池はしょせん化学反応なので周囲の温度に影響を受けます。そんなとこまで気にしたくありません。

街乗りがメインの人ならアリだとは思います。1回の移動距離も長くないでしょうし問題は少ないでしょう。街中なら充電スタンドはたくさんあるので、私のような恐怖感は無いと思いますが、大体充電スタンドは1か所1基なので、先客がいると待たされることになります。電気自動車が増えれば増えるほど待ちになる可能性は高いです。順番待ちの間は動けないでしょうし、充電中もその施設周辺から離れられないし、1時間も2時間も離れるわけにもいかないので、細切れの時間をうまく使う必要があります。もっとも自宅で充電できる人の場合はそれほど気にしなくてもいいのかもしれません。あとバッテリーは消耗品なのでいずれ交換が必要になります。交換は60万円とかするらしいので、どうなんでしょうね。交換まではほとんどコストかからず走れるから、そう考えるのならいいのかもしれませんね。

あと、路線バスとか走る路線が決まっている乗り物は電気自動車でいいのだと思います。充電は計画的にできるでしょう。

普通の試乗だとわからないことがわかるので一泊二日くらいの試乗体験というのは機会があれば体験してみるといいと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。